材料科学:八面体ゲルマニウムペロブスカイトの骨格となる分子間結合性ホモマー鎖
Nature 620, 7973 doi: 10.1038/s41586-023-06209-y
イオン半径が小さい金属中心を持つペロブスカイト(例えば、ゲルマニウム〔Ge〕ペロブスカイト)は、幾何学的制約を受けるとともに、ひずみを通して電子エネルギー利得を得る。これらの理由から、合成を試みても八面体[GeI6]ペロブスカイトは得られず、むしろ結晶化して極性非ペロブスカイト構造が形成される。今回我々は、超分子シントンの原理に着想を得て、結晶の幾何学的配置と電子配置に影響を与える目的でペロブスカイト構造内で有機骨格を組み立てると、Geの孤立電子対の発現が抑制され、対称性八面体のテンプレートとなることを報告する。我々は、拡張ホモマーの非共有結合性結合を形成するには、この有機モチーフが、別個のドナー部位とアクセプター部位を用いて実現される自己相補性を持つ必要があることを見いだした。非ペロブスカイト構造と比較すると、結果として得られた[GeI6]4−八面体は、著しく赤方偏移した(実験測定値0.5 eV以上)直接バンドギャップ、10分の1の八面体ひずみ(単結晶X線回折の測定データから推測)、10倍の電子移動度と正孔移動度(密度汎関数理論によって推定)を示した。我々は、この設計原理を銅ペロブスカイト(同じく金属中心の半径が小さい)について実行して準二次元系に拡張し、この設計原理が二次元Geペロブスカイトに限定されないことを示す。我々はまた、Geペロブスカイトを用いたフォトダイオードが、非八面体ペロブスカイトや鉛ペロブスカイトを用いたものより優れていることを報告する。結晶内で無機骨格と連結した第二の副格子を構築することで、ひずみと軌道配置を制御したハイブリッド格子をテンプレート合成するための新しい合成ツールが得られ、従来のペロブスカイトにおける制約が克服される。

