Article
光学技術:チップスケール音響光学ビームステアリングを用いた周波数・角度分解LiDAR
Nature 620, 7973 doi: 10.1038/s41586-023-06201-6
光による検出と測距(LiDAR)は、撮像の分解能が高く範囲が広いため、自律走行車や自律ロボット工学などのインテリジェントオートメーションシステムに不可欠な光学認知技術に急速になりつつある。次世代LiDARシステムの開発には、レーザービームを空間的に走査する非機械的ビームステアリングシステムが決定的に必要である。光フェーズドアレイ、空間光変調、焦点面スイッチアレイ、分散周波数コム、スペクトル・時間変調など、これまでにさまざまなビームステアリング技術が開発されてきた。しかし、これらのシステムの多くは、依然として大型で脆弱、そして高価である。今回我々は、単一のギガヘルツ音響トランスデューサーだけを用いて光ビームを自由空間にステアリングする、オンチップ音響光学ビームステアリング手法を報告する。この手法は、さまざまな角度にステアリングされたビームが一意的な周波数シフトで標識化されるブリルアン散乱の物理を利用することにより、単一のコヒーレントレシーバーを用いて周波数領域において物体の角度位置を分解し、周波数・角度分解LiDARを可能にする。我々は、単純なデバイスの構築、ビームステアリングの制御システム、周波数領域検出スキームを実証する。このシステムは、視野18°、角度分解能0.12°、最長115 mの測距距離で、周波数変調連続波測距を達成した。今回の実証は、広い二次元視野の小型で安価な周波数・角度分解LiDAR撮像システムを実現するアレイにスケールアップできる。今回の開発は、自動化、ナビゲーション、ロボット工学におけるLiDAR普及への一歩である。

