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細胞生物学:乳管の内腔上皮が、脂肪細胞の熱産生プログラムを制御する

Nature 620, 7972 doi: 10.1038/s41586-023-06361-5

低温にさらされた際には交感神経が活性化され、ミトコンドリアタンパク質である脱共役タンパク質1(UCP1)の発現を介して脂肪細胞の熱産生が増加する。脂肪細胞がUCP1を発現する傾向は、脂肪の微小環境から強い影響を受け、性別によっても、脂肪のさまざまな貯蔵場所によっても異なる。本論文で我々は、雌マウスの皮下白色脂肪組織(scWAT)において、脂肪細胞ニッチの乳腺の内腔上皮細胞が、低温が誘発する脂肪細胞のUCP1発現を調節していることを報告する。単一細胞RNA塩基配列解読によって、乳腺の内腔上皮細胞サブタイプが発現する転写産物が、低温条件下で脂肪細胞のUCP1発現を制御する複数の分泌因子をコードしていることが明らかになった。我々はこれらの内腔上皮分泌因子を「マンモカイン(mammokine)」と名付けた。そして、全組織免疫蛍光法による三次元視覚化を利用して、交感神経–乳管接合部を明らかにした。交感神経によって活性化された乳管は、マンモカインであるリポカリン2を介して、脂肪細胞のUCP1発現を制限することが分かった。in vivoおよびex vivoで乳管上皮を除去すると、scWATでは、低温が誘発する脂肪細胞の熱産生遺伝子プログラムが強化された。乳管ネットワークは雌マウスのscWATのほぼ全体に広がっているので、雌は雄に比べ、scWATでのUCP1の発現、脂肪の酸化、エネルギー消費、皮下脂肪量の減少が著しく低下しており、脂肪の熱産生においてマンモカインが性特異的な役割を担うことが示唆された。これらの結果から、交感神経により活性化された腺上皮が脂肪細胞のUCP1発現に果たす役割が明らかになり、乳管の内腔上皮が腺の脂肪蓄積の制御に重要な役割を担っていることが示唆された。

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