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細胞生物学:DNPおよびプリンヌクレオチドのUCP1への結合の構造学的基盤
Nature 620, 7972 doi: 10.1038/s41586-023-06332-w
脱共役タンパク質1(UCP1)は、ミトコンドリア内膜を介してプロトンを運ぶことでミトコンドリアの呼吸とATP産生を脱共役させ、それによりプロトンの電気化学的勾配を熱へと変換する。UCP1は、内在性脂肪酸や2,4-ジニトロフェノール(DNP)のような合成小分子により活性化され、ATPなどのプリンヌクレオチドにより阻害される。しかし、UCP1がこれらのリガンドに結合する機構はまだ分かっていない。今回我々は、ヒトUCP1について、ヌクレオチドが結合していない状態とDNPが結合した状態およびATPが結合した状態の構造を示す。これらの構造から、UCP1の中央のキャビティは細胞質ゾル側に開いていることが分かった。DNPはキャビティの内側に結合し、膜貫通ヘリックス2(TM2)とTM6に接触している。ATPは同じキャビティに結合し、TM2のコンホメーション変化を引き起し、同時にUCP1のTM1、TM4、TM5とTM6を内向きに曲げる。その結果、UCP1の構造はさらにコンパクトなものになる。ATPの結合部位はDNPの結合部位と重なりあっていて、DNPが機能するのをATPが競合的に妨げ、それがUCP1のプロトン伝導活性の阻害につながると考えられる。

