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分子生物学:レトロトランスポゾンはDNA複製とeccDNA生成のためにalt-EJを乗っ取る

Nature 620, 7972 doi: 10.1038/s41586-023-06327-7

動物のゲノムにはレトロトランスポゾンが非常に多数存在する。レトロトランスポゾンの活性化は、宿主DNAの情報を書き換えて宿主の生物学的性質に抜本的な影響を与えることがある。レトロトランスポゾンの発展的活性化は、ウイルス感染に対抗するなど、宿主に恩恵をもたらすことがあるが、制御されない活性化は病気を促進し、また老化を進行させる可能性もある。レトロトランスポゾンは、活性化されると自身のmRNAを鋳型として用いて二本鎖DNAを合成し、宿主ゲノムへの新たな挿入を引き起こす。レトロトランスポゾンがコードする逆転写酵素はDNAの1本目の鎖を合成できるが、2本目のDNA鎖がどのようにして作られるのかは、ほとんど分かっていない。今回我々は、レトロトランスポゾンが宿主の代替末端連結(alt-EJ)DNA修復過程を乗っ取って、自身の2本目のDNA鎖を合成する環状化段階に使うことを明らかにする。ナノポアシークエンシングを用いて、複製されたレトロトランスポゾンDNAがどのように変化していくのかを調べたところ、その10%は新たな挿入を達成するが、90%は染色体外環状DNA(eccDNA)として存在することが分かった。eccDNA産生を読み出し情報として使ってさらに遺伝子スクリーニングを行うことで、レトロトランスポゾンの複製に不可欠な複数のalt-EJ由来因子が明らかになった。alt-EJは、長い末端反復配列を持つLTRレトロトランスポゾンDNAの2本目の鎖合成を環化過程を介して促進するので、eccDNAの産生と新たな挿入に必要である。これらの知見を総合すると、alt-EJがゲノムの寄生性レトロエレメントの増殖促進に不可欠であることが分かる。今回の研究により、研究が進んでいないこのDNA修復過程の保存された機能が明らかになり、レトロトランスポゾンの生活環を理解し、可能ならば制御するための新たな視点が得られた。

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