Article

計算社会科学:フェイスブック上の考えを同じくする情報源は広く行きわたっているが分極化を促進してはしていない

Nature 620, 7972 doi: 10.1038/s41586-023-06297-w

多くの評論家が、ソーシャルメディア上には「エコーチェンバー」があふれており、これらが政治的分極化の増強に潜在的な役割を担っていることへの懸念を提起している。しかし、利用可能なデータがなく、大規模なフィールド実験にはいくつもの難題があるため、この問題の範囲を評価することは難しい。今回我々は、フェイスブックを実際に利用している米国内の成人ユーザー集団全体についての2020年のデータにより、このプラットフォーム上で人々が目にするものの大半が「考えを同じくする」情報源からのコンテンツであるが、政治的な情報やニュースはこれらの接触のごく一部にすぎないことを示す。エコーチェンバーの影響に関する懸念への潜在的な反応を評価するために、我々は、フェイスブック上で2万3377ユーザーに対し、2020年の米国大統領選挙期間中に考えを同じくする情報源のコンテンツへの接触を約3分の1に減らすという、複数波のフィールド実験を行った。この介入により、イデオロギー横断的な情報源からのコンテンツへの接触が増加し、無礼な言葉への接触が減少したが、事前に登録した8つの態度測定尺度(感情的分極化、イデオロギー的な極端さ、候補者評価、虚偽の主張を信じることなど)への測定可能な影響は見られないことが分かった。これらの正確に見積もられた結果は、ソーシャルメディア上で考えを同じくする情報源のコンテンツへの接触はよく見られることだが、2020年の米国大統領選挙中にその接触率を減らしても、それに応じて信念や態度の分極化が減るわけではないことを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度