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生物地球化学:海洋上層の鉄循環を駆動する自生鉱物相
Nature 620, 7972 doi: 10.1038/s41586-023-06210-5
鉄は、海洋の炭素循環の調節に重要である。海洋の鉄循環には、数種類の溶存種や粒子種が関与しているが、現在の理解では、海洋に溶存する鉄の濃度を安定させるには、有機配位子による錯体形成が重要であることが強調されている。しかし、溶存鉄の循環を主に配位子が制御しているとするこの見解と、観測されている溶存鉄種のサイズの分布、深部における溶存鉄の非効率的な再生、または、粒子状の鉄の観測データセットにおける自生鉄相の潜在的な重要性の折り合いを付けることは困難である。今回我々は、バミューダ大西洋時系列研究(BATS)領域から得られた、溶存鉄、配位子、粒子状の鉄の新しい季節的データセットを提示する。我々は、海洋上層の溶存鉄のダイナミクスは配位子のダイナミクスとは関連していなかったことを見いだしており、これによって、溶存鉄が配位子による安定化から逃れて、深部に自生鉄粒子のリザーバーを生成する過程が必要になる。この「コロイド回避」機構を全球スケールの生物地球化学モデルに組み込むと、季節的な鉄循環ダイナミクスの観測結果と、これまでのモデルでは再現できなかった独立した全球データセットの両方を再現できた。まとめると、海洋に溶存する鉄の分布と溶存鉄のプールと粒子状の鉄のプールの結合を制御するには、生物活動や配位子と共に自生鉄相の粒子のターンオーバーを考慮する必要があると、我々は主張する。

