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惑星科学:コンプトン・ベルコビッチ地域における月の花崗岩バソリスの遠隔検出

Nature 620, 7972 doi: 10.1038/s41586-023-06183-5

花崗岩は、地球の外側の太陽系にはほとんど存在していない。マグマ系において花崗岩組成をもたらすには多段階の融解と分別が必要であり、これによって放射性元素の濃度も増大する。地球では、豊富な水とプレートテクトニクスによってこれらの過程が促進され、再融解を助けている。月では、こうした要因が存在しない中で、小さな花崗岩試料が見つかっているが、その起源の詳細やそれが示す系のスケールはよく分かっていない。今回我々は、異常に温度の高い地熱源のマイクロ波の波長による測定結果を報告し、これが、コンプトン・ベルコビッチ地域と呼ばれる月の裏側のトリウムに富む特徴の下に直径約50 kmの花崗岩系が存在すると最もよく説明できることを示す。受動的マイクロ波放射測定は、数波長の深さまで積分した温度勾配を感知できる。嫦娥1号と嫦娥2号のマイクロ波機器の3~37 GHzアンテナ温度によって、1 m2当たり最大で約180 mWの熱流束の測定が可能になった。これは、平均的な月の高地の熱流束よりも約20倍高い。この特徴の驚くべき規模と地理的な広がりは、月(特に嵐の大洋の外側)で可能と考えられていたよりも大きな、地球に似た進化を遂げた花崗岩系の存在を示唆している。さらに、今回の手法は一般化が可能で、受動的放射測定データを同じように用いることで、月や他の惑星の地熱過程に関する知識が大きく広がる可能性がある。

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