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分子生物学:相補的なAlu配列はエンハンサー–プロモーターの選択性を達成させる

Nature 619, 7971 doi: 10.1038/s41586-023-06323-x

エンハンサーは遠く離れたプロモーターと連動することにより、時空間的遺伝子発現プログラムを決定する。しかし、エンハンサーがどのようにして相手となるプロモーターを見つけるのかは、いまだに解明されていない。我々は最近、対として相互作用するエンハンサーRNAとプロモーター由来非コードRNAを使って、エンハンサーとプロモーターの結合性を明らかにするためのRIC-seq(RNA in situ conformation sequencing)法を開発した。今回我々は、この技術を用いて、さらに6種類の培養細胞株で信頼性の高いエンハンサー–プロモーターRNA相互作用マップを作製した。このマップを用いたところ、エンハンサー–プロモーターRNA相互作用部位の37.9%がAlu配列と重なり合っていることが分かった。対となって相互作用するこれらのAlu配列と非Alu RNA塩基配列は、相補的である場合が多く、二重らせんを形成している可能性がある。Aluエレメントをノックアウトするとエンハンサー–プロモーターのループ形成が損なわれる一方で、調節されていないプロモーターRNAにAluを挿入したりCRISPR–dCasRxを介してAluを連結したりすると、相同なエンハンサーとの新しいループが作られる。このエンハンサー–プロモーター相互作用マップに53万5404の非コード性リスクバリアントをマッピングし直すことにより、6497個のタンパク質コード遺伝子に影響する1万1677個のAluエレメント中の1万5318個の欠失または挿入を含み、バリアントの分子レベルの機能の解釈に使えるバリアント–機能マップを作製できた。さらに、PTK2エンハンサーでの多型性Alu挿入が、腫瘍発生を促進し得ることが明らかになった。この研究により、エンハンサー–プロモーターの対形成の特異性を決める原理が判明し、非コード性リスクバリアントとその分子機能とを関係付けるための枠組みが得られた。

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