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生物工学:ヒト心臓ニッチの空間分解マルチオミクス
Nature 619, 7971 doi: 10.1038/s41586-023-06311-1
細胞の機能は、細胞固有の特性と、そのニッチ、つまり細胞が存在している組織微小環境によって定められる。今回我々は、単一細胞トランスクリプトミクスと空間トランスクリプトミクスのデータを組み合わせて、ヒト心臓の8つの領域内の細胞ニッチを見いだした。我々は、細胞を微小解剖学的位置にマッピングし、知識ベース構造アノテーションと教師なし構造アノテーションを統合した。また、ヒト心臓伝導系の細胞のプロファイリングも行った。その結果、イオンチャネル、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、調節ネットワークの特徴的なレパートリーが明らかになり、ペースメーカー表現型にFOXP2が関与していることが分かった。我々は、洞房結節が区画化されており、ペースメーカー細胞、繊維芽細胞、グリア細胞からなるコアがグルタミン酸作動性シグナル伝達を支えていることを示す。さらに我々は、CellPhoneDB.orgのカスタムモジュールを用いて、経シナプス性のペースメーカー細胞とグリア細胞との相互作用を特定した。我々は、ドラッガブルな標的を予測するツールであるdrug2cellを紹介する。このツールは、単一細胞プロファイルと薬剤–標的相互作用を利用して、GLP-1類似体などの薬剤の変時性の影響に関する機構的手掛かりをもたらす。心外膜には、IgG+形質細胞とIgA+形質細胞の両方が豊富に存在して免疫ニッチを形成していることが示され、これが感染防御に関与している可能性がある。まとめると、我々の研究によって心臓の電気解剖学と免疫学の新たな特性が明らかになり、今回の一連の計算手法は、他の組織や器官にも応用することができる。

