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物理化学:X線分光法で調べられた尿素溶液におけるフェムト秒プロトン移動
Nature 619, 7971 doi: 10.1038/s41586-023-06182-6
プロトン移動は、水相化学において最も基本的な事象の1つであり、超高速電子ダイナミクスと超高速構造ダイナミクスが組み合わさった象徴的な事例である。フェムト秒時間スケールの電子ダイナミクスと原子核ダイナミクスを解きほぐすことは、特に、自然の生化学的過程の環境である液相においては大変な課題である。今回我々は、卓上型「水の窓」X線吸収分光法の独自の特徴を利用して、水溶液中のイオン化された尿素二量体におけるフェムト秒プロトン移動ダイナミクスを明らかにする。我々は、X線吸収分光法の元素特異性と部位選択性を利用して、第一原理量子力学計算と分子力学計算を援用し、プロトン移動に加えて、その後の尿素二量体の再配列とそれに伴う電子構造の変化が、部位選択的にどのように特定できるかを示す。今回の結果は、生体分子系における溶液相超高速ダイナミクスを解明する際の、フラットジェット卓上型X線吸収分光法の大きな可能性を立証している。

