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惑星科学:探査機インサイトの電波追跡から得られた火星の自転状態と深部構造
Nature 619, 7971 doi: 10.1038/s41586-023-06150-0
火星の内部構造と大気についての知識は、この惑星がどのように形成され、進化してきたかを理解するのに不可欠である。しかし、惑星内部の調査の大きな障害は、そうした内部に直接手が届かないことである。地球物理学的データの大半から得られる全球的な情報は、核、マントル、地殻からの寄与に分離することができない。NASAの火星探査機インサイトのミッションは、高品質の地震探査データと着陸機の電波科学データを提供することによって、この状況を変えた。今回我々は、インサイトの電波科学データを用いて、火星の核、マントル、大気の基本的な性質を明らかにする。我々は、火星の自転を精密に測定することによって、核とマントルを別々に特性評価できる固有モードとの共鳴を検出した。マントルが完全に固体であるとすれば、液体核は半径が1835 ± 55 km、平均密度が5955~6290 kg m−3であり、核–マントル境界での密度の増加が1690~2110 kg m−3であることが見いだされた。インサイトの電波追跡データを解析した今回の結果は、固体の内核の存在とは相反しているとともに、核の形状を明らかにしており、マントル深部に内部質量異常があることを示している。我々はまた、火星の自転速度がゆっくりと加速していることを示す証拠を見いだしており、これは、火星の内部ダイナミクスか大気や氷冠における、長期的な傾向の結果である可能性がある。

