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構造生物学:相同組換えにおけるBCDX2複合体の機能に関する構造面からの考察
Nature 619, 7970 doi: 10.1038/s41586-023-06219-w
相同組換え(HR)は、DNA二本鎖切断や崩壊した複製フォークの修復に非常に重要な役割を果たしている。HRはRAD51の複数パラログの産物に依存しており、その中にはRAD51B、RAD51C、RAD51D、XRCC2からなるテトラマー複合体(BCDX2)が含まれる。BCDX2は、HRの際に起こるRAD51と一本鎖DNA(ssDNA)による核タンパク質フィラメント構築のメディエーターとして働くが、その機序はまだ解明されていない。今回我々は、ヒトBCDX2のアポ状態およびssDNAに結合した状態のクライオ電子顕微鏡による再構築構造を示す。これらの構造から、RAD51B、RAD51C、RAD51Dのアミノ末端ドメインが複合体形成の基盤となるサブユニット間相互作用に関わっていて、これがssDNA結合の特異性をもたらす仕組みが明らかになった。DNAカーテン法を用いた単一分子顕微鏡観察により、BCDX2がRAD51–ssDNAの核タンパク質フィラメント構築を促進する仕組みについて手掛かりが得られた。さらに、これらのクライオ電子顕微鏡構造と機能解析によって、がん患者に見られるRAD51Cの変化がBCDX2のDNA結合活性とHRメディエーター活性を不活性化する仕組みも説明できた。これらの知見によってHRでBCDX2が果たす役割が明らかになり、BCDX2の病的変化がゲノム修復にどのように影響するかを理解する基盤が整った。

