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構造生物学:がん抑制因子RAD51B–RAD51C–RAD51D–XRCC2の構造と機能

Nature 619, 7970 doi: 10.1038/s41586-023-06179-1

相同組換えは生命の基本過程であり、停止した複製フォークの保護と機能再開、染色体損傷の修復、また減数分裂中の遺伝物質の交換に必要とされる。BRCA2(別名FANCD1)、あるいはRAD51のパラログであるRAD51BやRAD51C(別名FANCO)、RAD51D、XRCC2(別名FANCU)、XRCC3のような重要な組換え遺伝子に変異が生じた個体は、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、また高発がん性疾患であるファンコニ貧血に罹患しやすくなる。BRCA2遺伝子の産物であるBRCA2がん抑制タンパク質については特性がよく解明されているが、RAD51パラログの細胞での機能ははっきりしていない。これらのパラログの遺伝子ノックアウトを行うと、増殖障害やRAD51フォーカス形成の減少、自然発生的な染色体異常、PARP阻害剤感受性や複製フォークの欠陥が見られるようになるが、RAD51パラログ分子のフォーク安定性やDNA修復、がん回避における役割の詳細はまだ分かっていない。今回我々は、クライオ電子顕微鏡法、AlphaFold2によるモデル化と構造プロテオミクスを用いて、RAD51B–RAD51C–RAD51D–XRCC2複合体(BCDX2)の構造を決定し、RAD51C–RAD51D–XRCC2が核タンパク質フィラメント中で並んでいる3つのRAD51プロトマーを模倣している一方で、RAD51Bは非常に動的であることを明らかにした。生化学的解析と単一分子解析から、BCDX2は、RAD51BとRAD51Cの共役したATPアーゼ活性に依存した反応中に、組換えDNA修復に必須であるRAD51フィラメントの核形成や伸長を促進することが分かった。我々の研究により、BCDX2は、がんの回避に極めて重要な反応において、複製フォーク保護や二本鎖切断修復のためのRAD51集合を一本鎖DNA上で調整していることが明らかになった。

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