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生体材料:水和固体
Nature 619, 7970 doi: 10.1038/s41586-023-06144-y
植物、菌類、細菌の吸湿性生体物質は、地球上の生物量の大半を占めている。こうした水応答性物質は代謝不活性であるが、環境と水を交換し、動きを活性化させることから、技術的応用を促してきた。複数の生物界にまたがる吸湿性生体物質は、その化学組成が多様であるにもかかわらず、相対湿度に伴うサイズや剛性の変化など、類似した力学的挙動を示す。今回我々は、一般的な土壌細菌の吸湿性胞子の原子間力顕微鏡による測定結果を報告し、観測された平衡状態での力学的挙動、非平衡状態での力学的挙動、水応答性の力学的挙動を捉える理論を構築して、これらが水和力によって制御されることを見いだした。水和力に基づく今回の理論は、水輸送の極端な減速を説明するとともに、強い非線形弾性や、ガラス状挙動や多孔質弾性挙動とは異なる力学的特性の遷移をうまく予測している。今回の結果は、水は生体物質に流動性を与えるだけでなく、水和力を通して巨視的な性質を制御でき、特異な性質を持つ「水和固体」を生み出し得ることも示している。生体物質の大半は、この独特な種類の固体物質に属している可能性がある。

