地球化学:地球型惑星の集積に関するケイ素同位体の制約
Nature 619, 7970 doi: 10.1038/s41586-023-06135-z
地球型惑星の前駆物質の性質と起源の理解は、惑星形成の機構と時間スケールの解明に重要である。太陽系の岩石天体の間での元素合成の変動から、惑星の構成要素の組成を追跡できる。今回我々は、始原的隕石や分化した隕石における、惑星を構築した最も豊富に存在する難揮発性元素であるケイ素の元素合成組成(μ30Si)について報告し、地球型惑星の前駆物質を特定する。火星を含む内太陽系の分化した天体が、地球と比べて−11.0 ± 3.2 ppmから−5.8 ± 3.0 ppmのμ30Siの不足を記録しているのに対して、非炭素質コンドライトや炭素質コンドライトは、7.4 ± 4.3 ppmから32.8 ± 2.0 ppmのμ30Siの過剰を示していた。これは、コンドライト天体が惑星の構成要素ではないことを立証している。むしろ、初期に形成された分化した小惑星によく似た物質が、主な惑星の構成要素であると考えられる。小惑星天体のμ30Siの値はその集積年代と相関しており、これは、μ30Siに富む外太陽系の物質が、当初はμ30Siが乏しかった内側円盤に次第に混合したことを反映している。コンドライトの母天体より前の火星の形成では、μ30Siに富む物質の合体を避ける必要がある。対照的に、地球のμ30Si組成は、μ30Siに富む外太陽系の物質の26 ± 9%のその前駆物質への混合を必要とする。火星と原始地球のμ30Si組成は、太陽系形成後の300万年以内の衝突成長やぺブル集積による急速な形成と矛盾しない。さらに、s過程に敏感な(モリブデンとジルコニウム)トレーサーと親鉄性元素(ニッケル)トレーサーの地球の元素合成組成は、集積時の揮発性が駆動する過程と月を形成した衝突を注意深く評価すれば、ぺブル集積と矛盾しない。

