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有機化学:フラストレイテッド・ラジカルペアを用いた位置選択的脂肪族C–H官能基化

Nature 619, 7970 doi: 10.1038/s41586-023-06131-3

フラストレイテッド・ルイスペア(FLP)は、二水素や二酸化炭素などの小分子を活性化することが十分裏付けられている。標準的なFLP化学反応は本質的にヘテロリシスであるが、最近の研究によって、特定のFLPが一電子移動を経てラジカル対を生成できることが示されている。こうしたラジカルは、立体障害や弱い結合会合が存在するため消滅し合わないので、フラストレイテッド・ラジカルペア(FRP)と名付けられている。FRPは、その応用が依然として限られているものの、重要な予備的結果によって、化学合成において有用な試薬となる可能性が示唆されている。今回我々は、ジシラジド供与体とN-オキソアンモニウム受容体から生成された一群のFRPを用いることで、C(sp3)–H結合の官能基化が達成できることを実証する。ジシラジド供与体とN-オキソアンモニウム受容体は、共に一電子移動を経て、活性化されていないC–H結合を開裂してアミノキシル化生成物を形成できる、過渡的ラジカルと持続的ラジカルの対を生成する。供与体の構造を調整することによって、第三級、第二級、第一級のC–H結合に向けて位置選択性を制御し反応性を調整できる。機構的研究によって、目的の反応におけるラジカル対の形成と関与が強く裏付けられた。

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