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トランスクリプトミクス:単一細胞分解能で見るヒト腸の構成

Nature 619, 7970 doi: 10.1038/s41586-023-05915-x

腸は複雑な器官で、消化の促進、栄養素の抽出、免疫監視への関与、微生物相との重要な共生関係の維持を行い、健康全般に影響する。腸の長さは9 mを超え、位置に応じて構造と機能に違いがある。個々の細胞タイプの局在化、細胞タイプの発生軌跡、細胞のきめ細かい転写プログラムが、これらの機能の違いをもたらすと考えられている。今回我々は、このような違いをよりよく理解するため、9人のドナーの腸全体から8カ所の異なる部位を選び、マルチプレックス画像化、単一核RNAアッセイ、オープンクロマチンアッセイを用いて、単一細胞レベルの構成を評価した。その結果、系統的な解析によって、腸の領域によって細胞組成が大きく違うことが判明し、上皮サブタイプの複雑さが示されるとともに、同一の細胞タイプが、異なる「ご近所」や「地域社会」を構成していることが分かり、腸内に異なる免疫学的ニッチが存在することが明確になった。また我々は、これらの細胞での遺伝子調節の違い(調節性分化カスケードを示唆する)をマッピングし、腸疾患の遺伝率と特定の細胞タイプとを結び付けた。これらの結果は、腸における細胞の組成、調節、構成の複雑さを示しており、ヒトの生物学的特性や疾患の解明に役立つ重要な参照マップとなる。

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