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トランスクリプトミクス:ヒト腎臓における健常細胞および損傷細胞とニッチのアトラス
Nature 619, 7970 doi: 10.1038/s41586-023-05769-3
腎疾患を理解するには、細胞のタイプと状態の複雑性、それらと関連する分子プロファイル、組織領域内での相互作用を明確にしなければならない。本研究で我々は、多様な健常参照腎臓(ドナー45人)と疾患腎臓(患者48人)に、単一細胞と単一核(40万個以上の核と細胞)の複数のアッセイと空間画像化技術を適用した。これにより、これまで報告されていなかったまれな細胞集団を含む51の主要な細胞タイプについて、高分解能の細胞アトラスが得られた。マルチオミクス手法によって、腎臓全体に対する詳細なトランスクリプトームプロファイル、調節因子、空間的局在が判明した。また、腎損傷で変化するネフロンセグメントと間質全体の28の細胞状態も定義したところ、これらの状態には細胞周期進行状態、適応(修復成功または不適応修復)状態、遷移状態、変性状態が含まれていた。分子シグネチャーによって、空間トランスクリプトミクスを用いて損傷領域内でのこれらの状態の位置推定が可能になった一方、大規模な3D画像化解析(約120万の領域)によって、活発な免疫応答に対応するつながりが明らかになった。これらの解析によって、腎機能低下に関連する不適応状態を予測した上皮修復の根底にあるシグネチャーをはじめとして、損傷の時間経過とニッチに関連する生物学的経路が明確に示された。ヒト腎臓の健常状態と損傷状態についてのこの統合された多モード空間細胞アトラスは、細胞の状態や近傍領域、転帰関連シグネチャー、一般公開されたインタラクティブな視覚化の包括的なベンチマークとなる。

