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ウイルス学:BTN3A3の回避によってインフルエンザA型ウイルスの人獣共通感染能が促進される

Nature 619, 7969 doi: 10.1038/s41586-023-06261-8

鳥インフルエンザA型ウイルス(IAV)のヒトへの異種間伝播事象は、今後のパンデミック(世界的大流行)の第一段階となる可能性がある。これまで、哺乳類における鳥IAVの伝播と複製を制限する、いくつかの要因が特定されている。どのウイルス系統が種の壁を越えてヒトに感染症を引き起こす可能性が高いかを予測するには、我々の理解に、いくつかの欠落部がある。今回我々は、ヒトBTN3A3(butyrophilin subfamily 3 member A3)が、鳥IAVの強力な抑制因子であるが、ヒトIAVの抑制因子ではないことを明らかにする。BTN3A3はヒト気道に発現していて、その抗ウイルス活性は霊長類で進化したことが分かった。BTN3A3による制限は、ウイルスRNAの複製を阻害することにより、主に鳥IAVの生活環の初期段階で働く。我々は、ウイルスの核タンパク質(NP)の313番目の残基が、BTN3A3感受性(鳥IAVの313Fまたは、まれに313L)あるいはBTN3A3回避(ヒトIAVの313Yまたは313V)の遺伝的決定要因であることを特定した。しかし、ヒトに異種間伝播した、H7やH9などの鳥IAV血清型もBTN3A3による制限を回避することが分かった。これらの場合、BTN3A3回避は、NP構造の313番目の残基に隣接する、NPの52番目の残基の置換(N、HまたはQ)によるものである。従って、BTN3A3への感受性あるいは抵抗性は、鳥インフルエンザウイルスの人獣共通感染能のリスク評価において考慮すべきもう1つの要因である。

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