天文学:高分解能撮像によって確認された、超低温矮星の周りに存在する放射線帯
Nature 619, 7969 doi: 10.1038/s41586-023-06138-w
放射線帯は、地球、木星、土星、天王星、海王星といった太陽系惑星の大規模磁気圏全てに存在する。最高で数十メガ電子ボルトのエネルギーの相対論的粒子からなる、こうした惑星の赤道域の永続的な放射線帯は、惑星半径の10倍以上に広がっている場合があり、徐々に変化する電波を放射し、近接する衛星の表面化学に影響を及ぼし得る。最近の観測からは、総称して超低温矮星と呼ばれる超低質量星や褐色矮星が、大規模な磁気圏電流によって生じる周期的なオーロラバーストなどの、惑星に似た電波放射を生じ得ることが明らかになっている。超低温矮星はまた、多波長フレアに関する経験的な関係から逸脱しているにもかかわらず、ゆっくりと変化する静穏な電波放射も示す。これは、低レベルのコロナフレアをなぞるものであると仮定されている。本論文で我々は、超低温矮星LSR J1835 + 3259の8.4 GHzでの高分解能撮像について報告し、その静穏な電波放射が空間的に分解されており、木星の放射線帯とよく似た形態の二重ローブの軸対称構造をなぞっていることを実証する。2つのローブは、超低温矮星半径の最大18倍の距離で隔てられており、1年以上にわたる3回の観測で安定して存在していた。LSR J1835 + 3259の磁気双極子によって閉じ込められたプラズマについては、電子エネルギーは15 MeVと見積もられ、この値は木星の放射線帯と一致する。今回の結果は、恒星質量系列の両端における放射線帯の存在に関する最近の予測を裏付けるとともに、褐色矮星、完全対流型M型矮星、大質量星から非熱的で静穏な電波放射が生じる際の回転磁気双極子に関する広範な再検討結果を支持している。

