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物理化学:天然の光合成複合体による単一光子の吸収と放出

Nature 619, 7969 doi: 10.1038/s41586-023-06121-5

光合成は一般に、太陽からの単一光子によって開始されると考えられている。太陽は弱い光源なので、クロロフィル吸収帯内に届く光子は、多くても1 nm2当たり毎秒数十個である。しかし、過去40年にわたる多くの実験的研究や理論的研究では、強い超短レーザーパルス光が吸収された後の光合成における事象が調べられてきた。今回我々は、単一光子を用いて、紅色細菌Rhodobacter sphaeroidesの光捕集(LH2)複合体を周囲条件下で励起した。この複合体は、9個のバクテリオクロロフィル分子を含むB800環と18個のバクテリオクロロフィル分子を含むB850環からなる。B800環を励起すると、約0.7 psでB850環への電子エネルギー移動が起こった後、約100 fsの時間スケールでB850からB850への急速なエネルギー移動が起こり、850~875 nmの光が放出された。我々は、伝令付き単一光子源と同時計数法を用いて、B800の励起とB850の蛍光発光の時間相関関数を確立し、いずれの事象も単一光子が関与していることを実証する。また我々は、単一光子が、吸収されるとその後のエネルギー移動と蛍光発光を駆動でき、ひいては光合成の初期電荷分離を駆動できるという考えが、検出蛍光光子当たりの伝令の数の確率分布によって裏付けられることも見いだした。解析的確率論モデルとモンテカルロ数値モデルによって今回のデータが捉えられ、単一光子の吸収と単一光子の放出が天然の光捕集複合体において相関していることがさらに確認された。

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