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量子物理学:マイクロ波光子計数法による単一電子スピン共鳴検出

Nature 619, 7969 doi: 10.1038/s41586-023-06097-2

電子スピン共鳴分光法は、常磁性不純物の特性評価に最適な手法であり、化学から量子コンピューティングまで幅広く応用されているが、信号対雑音比が低いためアンサンブル平均量しか得られない。一方、単一電子スピン感度は、スピン依存フォトルミネッセンス、輸送測定、走査プローブ技術を用いてが実現されている。これらの方法は、系に特異的であったり、小さな検出体積でしか感度が得られなかったりするので、実用的な単一スピン検出はまだ解決されていない課題である。今回我々は、ミリケルビン温度でマイクロ波光子計数器を用いて、スピン蛍光検出による単一電子磁気共鳴を実証する。我々は、常磁性エルビウムイオンの放射崩壊率を高める高Q値の平面超伝導共振器に結合した灰重石結晶において、個々のエルビウムイオンを検出し、その信号対雑音比は1秒間の積分時間で1.9であった。蛍光信号はアンチバンチングを示しており、この信号が個々の放射源に由来することが立証された。最長で3ミリ秒のコヒーレンス時間が測定され、これはスピンの放射寿命によって制限された。この方法は、非放射緩和時間が十分に長い任意の常磁性化学種に適用できる可能性があり、共振器の磁気モード体積と同程度の大きさの体積(今回の実験では約10 μm3)での単一スピンの検出が可能になる。この体積は、他の単一スピン検出法より数桁大きい。そのため、この方法は磁気共鳴や量子コンピューティングに応用できる可能性がある。

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