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社会科学:モラル低下という思い違い

Nature 618, 7966 doi: 10.1038/s41586-023-06137-x

事例証拠から、「人々はモラルが低下しつつあると考えている」ことが示されている。今回我々は、アーカイブデータとオリジナルデータ(n = 1249万2983)を用いた一連の研究で、世界中の少なくとも60カ国の人々がモラルは低下しつつあると考えており、これらの人々は、少なくとも70年間そう信じていて、それが加齢に伴う個人のモラル低下と、続く世代でのモラル低下の両方が原因だと考えていることを示す。次に我々は、人々は自分と同じ世代の人々のモラルに関する報告は、時間が経過しても低下しないことを示す。これは、モラルが低下しているとの認識は思い違いであることを示唆している。さらに我々は、既によく分かっている2つの心理学的現象(情報への偏った曝露と情報に対する偏った記憶)に基づいた単純な機構により、モラル低下という思い違いが生じ得ることを示し、また、モラル低下の認識が弱まったり、消えたり、逆転したりする状況(つまり、回答者がよく知る人々や、回答者が生まれる以前に生きていた人々のモラルについて質問された場合)について、この機構による2つの予測を裏付ける研究を報告する。以上より、モラル低下という認識は、広く浸透していて、永続的であり、根拠がなく、容易に作り出せることが明らかになった。このような思い違いは、乏しい資源の不適切な配分、社会的支援の使用不足、社会的影響についての研究に影響を与える。

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