Article

材料科学:生体接着に対抗するコレステロール含有層のエントロピー斥力

Nature 618, 7966 doi: 10.1038/s41586-023-06033-4

接着の制御は、生物が持つ顕著な特徴であり、技術的移行に関して特に興味深い。今回我々は、コレステロール層の界面配向ゆらぎに起因するエントロピー斥力が、タンパク質の吸着や細菌の付着を制限することを発見した。さらに、本質的に接着性のワックスエステル層が、少量(10 wt%未満)のコレステロールを含有すると、同様に抗生体接着性になることを見いだした。ぬれ、吸着、接着の実験のみならず、原子論的シミュレーションの結果から、斥力特性が、拘束されない超分子集合体の界面における、微妙なバランスの取れたゆらぐ再配向をコードする、コレステロールの特定の分子構造に依存することが示された。分子にわずかな差異しかないコレステロール類似体の層は、著しく異なる界面可動性を示し、抗接着性効果を示さなかった。また、配向が固定されたコレステロール層も、抗生体接着性を示さなかった。今回の知見は、生体界面に関する概念的に新しい物理化学的視点をもたらすとともに、接着の調節における今後の材料設計の指針となる可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度