Review
免疫学:組織常在型マクロファージの生理機能と疾患
Nature 618, 7966 doi: 10.1038/s41586-023-06002-x
胚由来の組織常在型マクロファージは、後生動物で出現した最初の造血細胞系譜細胞である。哺乳類では、常在型マクロファージは発生初期の卵黄嚢前駆細胞に由来し、器官形成過程で組織特異的なサブセットに指定されて、組織の特殊化した細胞と空間的および機能的に安定した関係を確立し、成体でも存続する。常在型マクロファージは、特殊化した細胞と共に、組織の不可欠な一部となっている。例えば、脳においてミクログリアはニューロンと、骨において破骨細胞は骨芽細胞と、脂肪組織において脂肪関連マクロファージは白色脂肪細胞とそれぞれ共に存在する。この補助的な細胞タイプは、造血幹細胞や、単球由来のマクロファージとは発生的にも機能的にも異なり、局所や全身の情報を感知・統合して、組織の特殊化した細胞に、組織の成長、恒常性、修復に重要な、増殖因子、栄養素の再利用、老廃物の除去を提供する。常在型マクロファージは、器官形成に関与し、損傷後の組織再生を促進し、組織の代謝や感染症に対する防御に寄与する。これと関連して、常在型マクロファージに遺伝的な、あるいは環境による機能不全が引き起こされると、変性疾患や代謝疾患の原因となる他、炎症性疾患や腫瘍性疾患の原因となる可能性もある。本総説で我々は、マクロファージの生理機能とヒトの疾患におけるその重要性について、現在の理解の概念的な概要を示すことを目的とする。これは、今後の研究設計のための情報になり、役立つ可能性がある。

