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天文学:塵を多く含む銀河内の芳香族炭化水素放射における空間的ばらつき

Nature 618, 7966 doi: 10.1038/s41586-023-05998-6

塵粒子は、全宇宙史を通して星から発せられた輻射の半分を吸収し、そのエネルギーを赤外波長で再放射してきた。多環芳香族炭化水素(PAH)は大きな有機分子で、ミリメートルサイズの塵粒子のトレーサーであり、銀河内の星間ガスの冷却を調節している。しかし、これまでの赤外線望遠鏡では感度や波長範囲が限られていたため、非常に遠い銀河のPAHの特徴を観測することは難しかった。今回我々は、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による観測で、ビッグバン後15億年未満の銀河に3.3 μmのPAHの特徴を検出したことを報告する。PAHの特徴の等価幅が大きいことから、ブラックホールへの降着ではなく星形成が、この銀河全体の赤外線放射を支配していることが示された。PAH分子、高温の塵粒子、大きな塵粒子、星からの光は互いに空間的にはっきりと異なっており、PAHの等価幅と全赤外光度に対するPAHの比が銀河系全体で桁違いにばらつく原因となっている。我々が観測した空間的ばらつきは、PAHと大きな塵粒子の間の物理的なずれか、局所的な紫外線輻射場の大きなばらつきのどちらかを示唆している。今回の観測結果は、PAH分子と大きな塵粒子からの放射の違いが、初期銀河内の局所的な過程の複雑な結果であることを実証している。

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