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生態学:生態系におけるニッチ集合から分散集合への移行を明らかにする

Nature 618, 7965 doi: 10.1038/s41586-023-06161-x

生態学の中心的な目標の1つは、局所群集において何が種の多様性を維持しているのかを理解することである。生態学の古典的理論では、ニッチは群集内に共存可能な種の最大数を規定し、移入が極めて少ない場合に限れば、観察される種の豊富さはこの最大数に満たないとしている。これに代わる新たな理論として、ニッチが規定するのは共存する種の最小数であり、観察される種の豊富さは継続的な移入のためにそれを大きく上回るのが普通である、とするものがある。今回我々は、熱帯の潮間帯群集の野外操作実験を用いて、これら2つの統一理論の正誤を判断する実験的検証を行った。その結果、新しい理論と一致して、種の豊富さと移入率の間の関係は、移入率が低ければ低い値で安定化し、移入率が高くても飽和しないことが明らかになった。我々の結果は、熱帯潮間帯群集のニッチ多様性は低く、通常は、移入率がニッチを埋めてなお余りあるだけ高い分散集合レジームにあることを示唆している。別の研究の観察データは、こうした結論が他の生態系にも一般化可能であることを示唆している。今回の新たな実験手法は他の生態系にも適応させることが可能で、「ニッチ検出法」として、また、群集がいつニッチ集合となりいつ分散集合となるかを評価するためのツールとして用いることができる。

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