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免疫学:受容体の模倣によりノイラミニダーゼを阻害する汎インフルエンザ抗体
Nature 618, 7965 doi: 10.1038/s41586-023-06136-y
急速に進化するA型およびB型のインフルエンザウイルス(IAVとIBV)は、頻発する下気道感染症の主な原因である。現在のインフルエンザワクチンは、ヘマグルチニンの非常に変化しやすい頭部領域に対する抗体を誘導するものが大部分で、その有効性はウイルスの抗原ドリフトと最適ではない免疫応答によって制限されている。今回我々は、ノイラミニダーゼを標的とするモノクローナル抗体FNI9について報告する。FNI9は、IAVのグループ1およびグループ2の全ての株、さらにIBVのVictoria/2/87様株、Yamagata/16/88様株および祖先株のノイラミニダーゼ活性を強力に阻害する。FNI9は、季節性のIAVおよびIBV(ノイラミニダーゼの245番目のアミノ酸にN-グリカンを持ち、免疫を回避するH3N2株を含む)を広く中和し、ヘマグルチニンのステム領域を標的とする抗体と組み合わせた場合には相乗作用を示す。構造解析から、FNI9重鎖の相補性決定領域3のD107が、シアル酸のカルボキシ基とノイラミニダーゼ触媒部位の高度に保存された3つのアルギニン残基(R118、R292、R371)との相互作用を模倣することが明らかになった。FNI9は、マウスでのIAVおよびIBVへの致死的感染に対して強力な予防活性を示した。FNI9モノクローナル抗体の効果の前例のない範囲と強さは、季節性のウイルスやパンデミック(世界的大流行)を引き起こすようなウイルスによるインフルエンザ感染症を予防するための開発を支持するものだ。

