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神経科学:ヒト脳機能に対する形態的制約
Nature 618, 7965 doi: 10.1038/s41586-023-06098-1
脳の解剖学的形態は必然的に脳機能に制約を加えるが、正確にどのように制約するかは未解明である。神経科学の伝統的・主流的な考え方では、ニューロンの動態は、複雑に絡み合った多数の軸索で結び付けられた、機能的に特化した別個の細胞集団間の相互作用によって駆動されるとされている。しかし、大規模な脳活動をモデル化する確立された数学的枠組みである神経場理論からの予測では、脳の幾何学的形態が、複雑な領域間結合よりも動態への基本的な制約となり得ると示唆されている。今回我々は、自発的で多様な課題誘発条件下で得たヒト磁気共鳴画像化データを分析することにより、これらの理論的予測の裏付けを得た。具体的には、皮質および皮質下の活動は、従来考えられてきたように複雑な領域間結合のモードに起因するのではなく、むしろ脳の幾何学(つまり形態)の基本的な共鳴モードの興奮に起因するものと、簡素化して理解できる。次に我々は、これらの幾何学的モードを用いて、1万枚を超える脳地図での課題誘発活性化は、広く信じられてきたように特定領域に限定されるのではなく、60 mm以上の波長を持つ全脳モードの興奮を引き起こすことを示す。さらに我々は、脳の形態と機能の間の密接な結び付きは、波様活動の主要な役割により説明できるという予測を確認し、自発的・誘発的脳活動記録のカノニカルな時空間的性質の多くは、波の動態で再現できることを示す。今回の知見は、定説に異義を唱えるものであり、全脳動態の統一的な物理的原理に基づくモデルから予測されるように、形態の機能において、幾何学的形態の役割がこれまで過小評価されてきたことを明らかにするものである。

