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がんゲノミクス:前がん状態での決定論的進化と厳密な選択

Nature 618, 7964 doi: 10.1038/s41586-023-06102-8

ヒト腫瘍イニシエーションの最初期の事象は、特徴がほとんど解明されていないが、悪性腫瘍の検出や予防の手掛かりとなる可能性がある。今回我々は、ヒト胃オルガノイドにおいて、胃がんの一般的な初期事象であるTP53の両対立遺伝子の不活性化による潜在的な前がん状態(preneoplasia)をモデル化した。この腫瘍イニシエーションの遺伝的異常と、結果として生じる表現型の間の因果関係が、複数のクローンに由来する培養での2年にわたる実験的進化を用いて確立された。TP53の喪失は、胃がんによく見られるコピー数変化や構造バリアントなどの異数性を漸進的に引き起こし、これには明確な優先順位が見られた。TP53欠損胃オルガノイドの縦断的な単一細胞塩基配列解読から、悪性腫瘍の転写プログラムに向かうプログレッションがあることが同様に示された。さらに、発現細胞バーコードによるハイスループット細胞系譜追跡から、共通の転写プログラムを持つ最初はまれなサブクローンが繰り返しクローン優位性を獲得するという再現性のある動態が実証された。実験的進化のためのこの強力なプラットフォームは、前悪性腫瘍状態の上皮オルガノイドにおいて、厳密な選択、クローン干渉、顕著な表現型収斂を明らかにしている。これらのデータは、腫瘍形成の最初期段階での予測可能性を示唆するとともに、悪性形質転換への進化的な制約や障壁を示しており、この結果はアグレッシブでゲノム不安定性を持つ腫瘍の早期検出と阻止に関係している。

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