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材料科学:固体リチウム金属電池におけるデンドライトの形成と伝播
Nature 618, 7964 doi: 10.1038/s41586-023-05970-4
リチウム(Li)アノードとセラミック電解質を用いた全固体電池は、現在のLiイオン電池と比較して、性能の大きな変化をもたらす可能性がある。しかし、実用的な充電率での充電によってLiデンドライト(フィラメント)が形成され、これがセラミック電解質を貫通して、短絡やセルの故障につながる。これまでのデンドライト貫通モデルは、一般にデンドライトの形成と伝播に関して単一過程に重点を置いており、Liが先端でクラックを駆動するというものであった。今回我々は、デンドライトの形成と伝播が別個の過程であることを示す。デンドライトの形成は、表面下の細孔と表面をつなぐマイクロクラックによって、細孔にLiが堆積することから始まる。細孔が充填されると、Liが表面へ押し戻されるのが遅い(粘塑性流動)ため、さらなる充電によって細孔内の圧力が高まり、クラックが形成される。これに対し、デンドライトの伝播は、くさび開口(wedge opening)機構によって起こり、Liが先端ではなく後方からドライクラックを駆動する。デンドライトの形成は、粒界における局所的(微視的)破壊強度、細孔サイズ、細孔の分布密度、電流密度によって決まるのに対し、デンドライトの伝播は、セラミックの(巨視的)破壊靭性、ドライクラックを部分的に占有するLiデンドライト(フィラメント)の長さ、電流密度、拘束圧、各サイクル時の充電容量に依存する。拘束圧を低くすると伝播が抑制され、デンドライトが形成されたセルにおいて短絡までのサイクル数が著しく増大した。

