Article
創薬:生物活性化される殺線虫剤を用いた寄生線虫の選択的防除
Nature 618, 7963 doi: 10.1038/s41586-023-06105-5
寄生線虫は、特に耕作可能地が限られた中で世界人口が100億人に近づいている現状では、世界の食料安全保障に対する大きな脅威である。従来の殺線虫剤の大半は、線虫選択性が低いために禁止されており、農家にとっては害虫防除の手段が不十分なままである。今回我々は、モデル線虫であるCaenorhabditis elegansを用いて、線虫でシトクロムp450を介して生物活性化されるイミダゾチアゾール系の選択的殺線虫剤のファミリーを特定し、セレクチビン(selectivin)と名付けた。セレクチビン類は、非常に破壊的な植物寄生線虫であるネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)による根への感染の制御において、低ppm濃度で、市販の殺線虫剤と同等の効果を示した。系統発生学的に多様な多数の非標的系に対する試験により、セレクチビン類が市販されている大半の殺線虫剤よりも線虫選択性が高いことが実証された。セレクチビン類は、有効性と線虫選択性の両方をもたらすファースト・イン・クラスの生物活性化線虫防除剤である。

