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生化学:不活性なRNA結合小分子を生物活性のある分解剤にプログラム化する

Nature 618, 7963 doi: 10.1038/s41586-023-06091-8

特にRNAの場合、小分子によるRNA構造の分子認識を巡る長年の課題もあり、標的の占有が生物学的活性を生じさせるには不十分であることが多い。今回我々は、天然物に着想を得た小分子のコレクションと、三次元的に折りたたまれたRNA構造との間の分子認識パターンを検討した。これらの相互作用の全体像をヒトのトランスクリプトーム全体にわたってマッピングすることで、構造–活性相関が明らかになった。機能部位に結合するRNA結合性化合物は生物学的応答を誘発すると期待されたが、見つかった相互作用のほとんどは、それ以外の部位に結合しているため、生物学的に不活性と予測された。そこで我々は、こういった例では、RIBOTAC(ribonuclease-targeting chimera)を介した標的RNAの切断が、RNAの生物学的機能を調節する代替戦略になると判断した。RIBOTACでは、RNA結合分子に対して、RNアーゼLに結合しこれを局所的に活性化する複素環が付加されている。RNアーゼLの基質特異性と小分子の結合全体像を重ね合わせたところ、分解剤に変換されると生物活性を持つ可能性がある有望な結合分子候補が多数見つかった。我々は概念実証として、疾患に関連するマイクロRNA-155の前駆体(pre-miR-155)、JUN mRNA、MYC mRNAに対する選択的な分解剤を設計した。このように、小分子によるRNAの標的化分解は、強力だが不活性な結合相互作用を、効果のある特異的なRNA機能調節因子への変換に利用することができる。

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