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がん:ウリジン由来のリボースはグルコースを制限された膵臓がんのエネルギー源である
Nature 618, 7963 doi: 10.1038/s41586-023-06073-w
膵管腺がん(PDA)は、治療抵抗性を持つことが知られている致死的な疾患である。その原因の一部は、複雑な腫瘍微小環境や低血管分布、代謝異常を介したものである。代謝変化は腫瘍のプログレッションを促進するが、PDAが栄養素として用いる代謝物の範囲は不明である。今回我々は、175種類以上の代謝物が、栄養素制限下で21種類の膵臓の細胞株での代謝活性にどのように影響を与えるか評価することで、グルコースの不足した状況で、ウリジンがPDAのエネルギー源となることを見いだした。ウリジンの利用は、ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1)の発現と強く相関しており、これがウリジン由来のリボースを遊離させて、中心的な炭素代謝を活性化することで、グルコースが制限されたPDA細胞における酸化還元のバランスや、生存、増殖を支えていることが明らかになった。PDAでは、UPP1はKRAS–MAPKシグナル伝達によって調節され、栄養素制限によって増強される。これと一致して、腫瘍は非腫瘍組織に比べてUPP1を高発現しており、UPP1の発現はPDA患者コホートでの生存率の低さと相関していた。ウリジンは腫瘍微小環境で利用可能であり、腫瘍ではウリジン由来のリボースが積極的に異化されていることが分かった。また、UPP1の欠損はPDA細胞がウリジンを使用する能力を制限し、正常な免疫能を有するマウスモデルで腫瘍の増殖を鈍らせた。我々のデータは、ウリジンの利用が、栄養素の不足したPDA細胞における重要な代償性の代謝過程であることを明らかにし、PDA治療のための新しい代謝軸を示唆している。

