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構造生物学:ERMESのin situでの構成

Nature 618, 7963 doi: 10.1038/s41586-023-06050-3

小胞体とミトコンドリアは、真核細胞での膜新生の主たる拠点である。膜新生はこの2つの細胞小器官の膜の接触部位を介する脂質交換に依存して起こるが、その基盤となる機構はほとんど解明されていない。酵母では、この2つの細胞小器官の間での繋留や脂質移動を仲介するのはERMES(endoplasmic reticulum–mitochondria encounter structure)という複合体で、これは4個のサブユニットからなり、その化学量論的性質や構成は解明されていない。今回我々は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のERMESの細胞内での分子構成を、定量的ライブセル画像化、相関クライオ電子顕微鏡、サブトモグラム平均化および分子モデル化を組み合わせる、統合構造生物学的手法を使って決定した。ERMESは、はっきり分かれた25個程度の橋状複合体を組み立て、これらは接触部位全体に不規則に分布していることが分かった。個々の橋状複合体は、シナプトタグミンに似たミトコンドリア脂質結合タンパク質ドメイン3個からなり、3個のドメインはジグザグに並んでいる。我々が作製したERMESの分子モデルから、脂質の経路が判明した。これらの知見によって、重要な細胞小器官間脂質輸送装置のin situでの超分子構造が明らかになり、真核細胞中での脂質の流動を機構面から理解するための基盤が得られた。

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