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生態学:樹木の多様性は10年間にわたる森林土壌の炭素・窒素蓄積量を増加させる
Nature 618, 7963 doi: 10.1038/s41586-023-05941-9
土壌の炭素と窒素の貯蔵量の増加は、気候変動の緩和と土壌肥沃度の維持に役立ち得る。多数の生物多様性操作実験は総じて、植物の多様性が高いほど土壌の炭素および窒素の蓄積量が増加することを示唆している。しかし、そうした結論が自然生態系に当てはまるのかどうかについては、議論が続いている。今回我々は、共分散構造分析(構造方程式モデリング:SEM)を用いてカナダの国家森林調査(NFI:National Forest Inventory)データベースを解析し、自然林における樹木の多様性と土壌の炭素・窒素蓄積量との関係を調べた。その結果、土壌の炭素・窒素の蓄積量の増加と樹木の多様性が関連していることが見いだされ、生物多様性操作実験から得られた推論が確証された。具体的には、10年の期間において、種の均等度が最小値から最大値まで上がると、堆積有機物層の炭素が30%、窒素が42%増加し、機能形質の多様性が上がると、鉱質土層の炭素が32%、窒素が50%増加した。本結果は、機能的に多様な森林を保全して増強することによって、土壌の炭素と窒素の貯蔵量が増加し、炭素シンク容量と土壌窒素肥沃度が共に強化される可能性があることを示している。

