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進化学:有櫛動物が他の動物の姉妹群であることを裏付ける古い遺伝子連鎖

Nature 618, 7963 doi: 10.1038/s41586-023-05936-6

進化生物学における中心的な疑問は、海綿動物と有櫛動物(クシクラゲ類)のどちらが他の全ての動物の姉妹群であるのか、というものである。それぞれの動物群を支持する2つの系統発生学的な仮説は、複雑な神経系などの動物特異的な形質の進化に関して異なるシナリオを示している。形態的特性に基づく従来の系統発生学的手法や、ますます増え続ける遺伝子塩基配列データでは、まだこの疑問の最終的な答えは得られていない。本研究で我々は、染色体規模の遺伝子連鎖(シンテニーとしても知られる)を、この疑問を解決するための系統発生学的特徴として開発した。我々は、有櫛動物1種、海綿動物2種、そして系統解析用の外群となる、動物に近縁な単細胞生物3種(襟鞭毛虫、フィラステレア類アメーバ、イクチオスポレア)に関して、新たな染色体規模のゲノムを報告する。これらのゲノムから、動物とそれらに近縁な単細胞生物との間で保存されている古いシンテニーが複数見いだされた。有櫛動物と単細胞真核生物は祖先的な後生動物のパターンを共有しているのに対し、海綿動物、左右相称動物、刺胞動物は派生的な染色体再構成を共有している。保存されているシンテニーの特徴によって、海綿動物は、左右相称動物、刺胞動物、平板動物と共に1つの単系統クレードに収められ、このクレードから除外された有櫛動物は、他の全ての動物の姉妹群に位置付けられた。海綿動物、左右相称動物、刺胞動物が共有するシンテニーのパターンは、染色体のまれで不可逆的な融合・混合事象によるものであり、これによって、有櫛動物が姉妹群であるとする仮説に対してロバストで明白な系統発生学的裏付けが得られた。今回の知見は、難解で扱いにくい系統発生学的問題を解決するための新たな枠組みをもたらすとともに、動物の進化に関する理解に影響を与えるものである。

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