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植物科学:イネ科草本のパントランスクリプトームが示す作物における細胞の分岐パターン
Nature 617, 7962 doi: 10.1038/s41586-023-06053-0
イネ科草本内のさまざまな植物種が並行して栽培化の対象とされ、それぞれに異なる進化史と形質を持つ作物が生み出された。これらの種を区別する重要な形質は、特殊化した細胞タイプによってもたらされる。今回我々は、イネ科草本の3つの種(トウモロコシ〔Zea mays〕、モロコシ〔Sorghum bicolor〕、エノコログサ〔Setaria viridis〕)について、根細胞のトランスクリプトームを比較した。単一細胞および単一核のRNA塩基配列解読によって、双子葉類と単子葉類における細胞アイデンティティーの相補的な読み出しが得られることが明らかになり、複合解析の必要性が示された。ロバストなマーカーとなるオルソログ遺伝子を見つけるため、種横断的に細胞タイプをマッピングした。細胞の比較解析により、一部の細胞タイプでは他の細胞タイプよりもトランスクリプトームが急速に分岐しており、その原動力の一部は、他の細胞タイプからの遺伝子モジュールの動員であることが明らかになった。このデータはまた、最近の全ゲノム倍加が、進化の速い細胞タイプに有利な、新しい高度に局在した遺伝子発現領域の豊富な供給源になったことを示している。まとめると、このような細胞ごとの比較解析は、詳細な細胞プロファイリングがどのようにして、保存されたモジュールをパントランスクリプトームから抽出でき、また、作物での重要な機能を担う細胞の進化についての手掛かりをもたらすかを示している。

