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がん:EDA2R–NIKシグナル伝達はがん悪液質に関連した筋萎縮を促進する

Nature 617, 7962 doi: 10.1038/s41586-023-06047-y

骨格筋の萎縮は悪液質症候群の特徴の1つであり、がん患者での生存率の低さや生活の質の低下と関連している。筋萎縮では、タンパク質の過剰な異化と筋量および筋力の低下が起こる。萎縮過程を推し進める機構は完全には解明されていないため、筋肉の消耗に対する効果的な治療法は今のところ存在しない。我々が以前に筋組織で行った遺伝子発現解析では、担がんマウスや悪液質がん患者でのエクトジスプラシンA2受容体(EDA2R)の発現が上昇していることが明らかになった。本研究で我々は、EDA2Rシグナル伝達の活性化が、骨格筋萎縮を促進することを示す。EDA2RのリガンドEDA-A2で初代培養の筋管を刺激すると、筋萎縮関連遺伝子であるAtrogin1MuRF1の発現が誘導され、顕著な細胞萎縮が引き起こされた。EDA-A2による筋管の萎縮には、非カノニカルなNFκB経路の活性化が関与しており、NIK(NFκB-inducing kinase)活性に対する依存性が見られた。EDA-A2の過剰発現はマウスで筋消耗を促すのに対して、EDA2Rもしくは筋NIKの減少は、担がんマウスの筋量と筋機能の喪失を妨げた。腫瘍により誘導されたオンコスタチンM(OSM)は、筋肉でEDA2Rの発現を上昇させ、また、OSM受容体(OSMR)を筋肉特異的にノックアウトしたマウスでは、腫瘍誘導性の筋消耗に対する抵抗性が見られた。我々の結果は、EDA2R–NIKシグナル伝達が、OSM–OSMRに依存する様式で、がんに関連した筋萎縮を仲介することを明らかにしている。従って、これらの経路を標的とする治療は、筋喪失の防止に有益だと考えられる。

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