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惑星科学:月の固体の内核とマントルの逆転
Nature 617, 7962 doi: 10.1038/s41586-023-05935-7
アポロ計画で得られた地震学的モデルは、核–マントル境界で地震波速度が低下するという、月の内部構造の最初の記録をもたらした。こうした記録の分解能は、推定されている月の固体の内核の正確な検出を妨げており、月の最下部における月マントルの逆転がもたらす影響は、いまだに議論の的になっている。今回我々は、モンテカルロ探索とさまざまな月の内部構造に対する熱力学的シミュレーションから得られた地球物理学的制約条件と測地学的制約条件を組み合わせて、イルメナイトに富む低粘性層と内核を持つモデルだけが、潮汐変形から推定される密度と、熱力学的制約条件から推定される密度とを両立させることを示す。従って我々は、月マントルが逆転したシナリオに有利な強い示唆を得ており、この観点から、半径が258 ± 40 kmで密度が7822 ± 1615 kg m−3の月の内核の存在を立証する。今回の結果は、内核の存在を立証したことによって月の磁場の進化に疑問を投げ掛けるとともに、全球的なマントル逆転のシナリオを裏付けており、太陽系の最初の10億年における月への爆撃の時系列に関する重要な知見をもたらしている。

