惑星科学:M6型の矮星をトランジットする、潮汐加熱が起きている温暖な地球サイズの系外惑星
Nature 617, 7962 doi: 10.1038/s41586-023-05934-8
後期M型矮星を周回する温暖な地球サイズの系外惑星は、惑星がどのような条件下で生命居住可能な気候を作り出すことができるかを探る貴重な機会をもたらす。恒星半径が小さいと、大気の通過シグネチャーが増幅されるので、N2やCO2に富むコンパクトな二次大気でさえ、既存の観測装置で特性評価できる。しかし、大規模な惑星探査の試みにもかかわらず、後期M型矮星の周りに低温の地球サイズの惑星が検出されることはまれであり、一見同じ組成を持つ岩石惑星の共鳴連鎖にあるTRAPPIST-1系では、揮発性物質の存在を示す証拠はまだ得られていない。今回我々は、冷たいM6型の矮星LP 791-18を周回する温暖な地球サイズの惑星を発見したことを報告する。新たに発見された惑星 LP 791-18d は、半径が1.03 ± 0.04 R⊕で、平衡温度は300~400 Kであり、惑星の半面は永久に夜であるため、水の凝結が起きている可能性が高い。LP 791-18dは、同一平面上に複数の惑星がある系に属しており、ガスもしくは揮発性物質の外層を保持するサブネプチューンと同じ系内にある温暖な地球型系外惑星を調べるという今のところ唯一の機会をもたらす。トランジットタイミングの変動の観測から、サブネプチューンLP 791-18cの質量は7.1 ± 0.7 M⊕であり、地球型系外惑星LP 791-18dの質量は0.9+0.5−0.4M⊕であることが分かった。サブネプチューンとの重力相互作用によって、LP 791-18dは完全な円軌道にはなっておらず、そのため、LP 791-18dの内部は潮汐加熱が間断なく起きていて、表面ではおそらく活発な火山活動が生じていると考えられる。

