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天文学:AGB星の星周外層を形成する大気中の分子の塊

Nature 617, 7962 doi: 10.1038/s41586-023-05917-9

漸近巨星分枝(AGB)星は、熱的に脈動する段階において物質を放出し、塵に富む広がった外層を形成する。可視光の偏光撮像によって、酸素に豊むいくつかの星で、その半径の2倍以内に存在する塊状の塵の雲が見つかっている。うみへび座W星とミラを含む、酸素に豊む別の星では、半径の数倍以内にある複数の輝線で不均質な分子ガスも観測されている。恒星表面レベルでは、赤外画像によって、炭素星で半規則型変光星であるちょうこくしつ座R星の周辺や、S型星のつる座π1星において複雑な構造が明らかになっている。また、赤外線画像では、典型的なAGB炭素星であるIRC+10°216の半径の数倍以内に塊状の塵の構造が示されており、塵の形成領域を超えた分子ガス分布の研究でも、複雑な星周構造が示されている。しかし、空間分解能が十分でないため、AGB炭素星の恒星大気中や塵形成領域における分子ガスの分布は分かっておらず、それがその後どのように放出されるかも明らかでない。本論文で我々は、IRC+10°216の大気中に、最近形成された塵と分子ガスを1恒星半径の分解能で観測した結果を報告する。HCN、SiS、SiC2の輝線は、さまざまな半径に位置するさまざまな塊で見られ、我々はこれらを、ベテルギウスに見られるような光球中の大きな対流セルと解釈した。この対流セルが脈動とともに合体し、異方性をもたらして、伴星と共にその星周外層を形成する。

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