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気候科学:湿潤気候における都市の湿潤な熱によって生じる熱リスクの増大
Nature 617, 7962 doi: 10.1038/s41586-023-05911-1
都市部は一般に隣接する農村部より気温が高く、この現象は都市ヒートアイランド(UHI)と呼ばれている。UHI効果には、都市部の湿度が周辺の農村部より低くなる、都市ドライアイランド(UDI)と呼ばれる別の現象が伴うことが多い。UHIが都市住民の熱ストレスを悪化させるのに対し、人体は湿度が低い方が発汗を通して高温条件によりうまく対処できるため、UDIは熱ストレスを悪化させるのではなく軽減する可能性がある。湿球温度(Tw)の変化で測定されるUHIとUDIの相対的なバランスは、都市気候における人の熱ストレスの、重要だがほとんど分かっていない決定要因である。今回我々は、Twが、UDIがUHIを補って余りある乾燥気候や中湿潤気候の都市では低下し、夏季の降水量が570 mm以上の湿潤気候では上昇することを示す。我々の結果は、世界各地の都市部と農村部の気象観測所データの解析と、都市気候モデルによる計算から得られたものである。湿潤気候では、主に都市部の大気の動的混合が弱いため、夏季の都市部の日中のTwは、農村部より0.17 ± 0.14°C(平均±1標準偏差)高い。このTwの増分は小さいが、湿潤気候の背景Twが高いため、現在の気候条件では、都市住民が危険な熱ストレスにさらされる日をひと夏に2~6日増やすのに十分である。極端に湿度の高い暑さのリスクは将来増すと予測されており、こうした都市効果はリスクをさらに増幅する可能性がある。

