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発生生物学:組成が明らかな化合物カクテルによるマウス全能性幹細胞の誘導

Nature 617, 7962 doi: 10.1038/s41586-022-04967-9

マウスでは、接合体と、2細胞期胚に由来する割球のみが、胚組織と胚体外組織の両方の全ての分化細胞を作り出し、個体全体を形成することのできる真正の全能性幹細胞(TotiSC)である。しかし、生殖系列細胞の非存在下で、全能性幹細胞をin vitroで樹立できるのかどうか、できるとすればどうすれば樹立できるのかはまだ分かっていない。今回我々は、レチノイン酸類似体TTNPB、1-アザケンパウロン、キナーゼ阻害剤WS6という3種類の小分子の組み合わせを用いて、マウス多能性幹細胞からTotiSCを誘導して長期間維持したことを示す。結果として生じた、化学的に誘導された全能性幹細胞(ciTotiSC)は、トランスクリプトーム、エピゲノム、メタボロームのレベルで、マウス2細胞期胚の全能性細胞に類似していた。また、ciTotiSCは二方向への発生能を示し、in vitroおよび奇形腫において胚細胞と胚体外細胞の両方を作り出すことができた。さらに、ciTotiSCを8細胞期胚へ注入すると、高効率で胚細胞系譜と胚体外細胞系譜の両方へと分化した。全能性幹細胞を誘導および維持する我々の化学的手法は、全能性状態や非生殖系列細胞からの多細胞生物の発生を操作し、理解を深めるための化学的組成が明らかなin vitro系を提供する。

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