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神経科学:長距離抑制が前頭前野の課題関連活動を同期させて更新する
Nature 617, 7961 doi: 10.1038/s41586-023-06012-9
内側前頭前野内部の神経活動パターンの変化は、齧歯類、非ヒト霊長類、ヒトの行動を、例えば認知課題実行中の環境の変化に適応するよう、更新させることができる。内側前頭前野内のパルブアルブミンを発現する抑制性ニューロンは、途中でルールが変わる課題で新たな戦略を学習するのに重要だが、前頭前野ネットワークの動態を、学習済みのパターンの維持から更新課題に関連したパターンへと切り替える回路間相互作用はまだ解明されていない。本論文で我々は、新たな脳梁抑制結合である、パルブアルブミン発現ニューロンと課題表現の変化を結び付ける機構について記述する。全ての脳梁投射を非特異的に抑制しても、マウスでルール変更の学習が妨げられたり、活動パターンの改変が乱されたりすることはないが、パルブアルブミン発現ニューロンの脳梁投射のみを選択的に抑制すると、ルール変更の学習が障害され、学習に必要な脳梁のガンマ振動数活動が脱同期して、ルール変更の学習に通常伴う前頭前野の活動パターンの再編成が抑制された。こうした違いから、脳梁のパルブアルブミン発現投射が、前頭前野回路の作動モードを、ガンマ同期の伝達を介して既に確立した神経表現の維持に関わる他の脳梁入力の作用をゲート開閉することで、どのように維持から変更へと切り替えるかが明らかになった。このように、パルブアルブミン発現ニューロンから発する脳梁投射は、統合失調症やその関連疾患で見られる行動柔軟性とガンマ同期の欠如を理解・矯正するためのカギとなる回路部位である。

