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医学研究:原因不明の小児急性肝炎のゲノム研究
Nature 617, 7961 doi: 10.1038/s41586-023-06003-w
原因不明の小児肝炎は、スコットランドで最初に確認されて以来、英国での278例を含め、世界中で1000例以上報告されている。今回我々は、ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム、免疫組織化学的な手法を組み合わせて用い、38の症例と66例の年齢対応付けした免疫能の正常な対照者、および21例の免疫能の低下した比較対照者の調査結果について報告する。28例中27例で、肝臓、血液、血漿および糞便からアデノ随伴ウイルス2(AAV2)DNAが高レベルで検出された。また、検査された31例中23例でアデノウイルス(HAdV)が、23例中16例でヒトヘルペスウイルス6B(HHV-6B)が、それぞれ低レベルで見つかった。逆に、HAdV陽性の対照小児では、極度に免疫抑制されていても、血液や肝臓からのAAV2の検出はまれでウイルス価も低かった。AAV2、HAdV、HHV-6の系統解析では、症例中の新規株の出現は除外された。外植した肝臓の組織学的解析で、T細胞とB系統細胞が豊富に見られることが明らかになった。症例群と健常対照群の肝臓組織のプロテオーム比較では、HLAクラスII、免疫グロブリン可変領域および補体タンパク質の発現上昇が確認された。HAdVとAAV2のタンパク質は、肝臓では検出されなかったが、HAdVを介した複製とHHV-6Bを介した複製が反映されたAAV2 DNA複合体が見つかった。HAdVおよび(重症の場合には)HHV-6Bに補助された高レベルの異常なAAV2複製産物が、遺伝学的素因や免疫学的素因のある小児で免疫介在性肝疾患を引き起こしたという仮説を提唱する。

