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微生物学:生理的条件下でのヒト腸内環境のプロファイリング

Nature 617, 7961 doi: 10.1038/s41586-023-05989-7

ヒトのマイクロバイオーム、プロテオーム、メタボロームの時空間的構造は、腸の局所的な生理的状態を反映および決定しており、疾患に関与している可能性がある。しかし、腸内での微生物の分布、それらの環境や生化学的活性についてはほとんど分かっておらず、これは、糞便試料への依存や、絶食あるいは鎮静状態の人を対象にした内視鏡検査では腸の一部の領域にしかアクセスできないためである。我々は、こうした欠点に対処するため、通常の消化中にヒトの腸管の複数の領域から試料を採取する経口摂取可能なデバイスを開発した。このデバイスを用いて15人の健常者から240の腸内試料を採取し、その後マルチオミクス解析を行ったところ、腸と糞便では、細菌、ファージ、宿主タンパク質、代謝物に有意な差異があることが明らかになった。特定の微生物タクソンの存在量が異なっていて、腸ではプロファージの誘導が糞便中よりも広範に見られた。宿主のプロテオームと胆汁酸のプロファイルは、腸に沿って変化し、また、糞便のプロファイルとは非常に異なっていた。胆汁酸濃度の勾配と微生物存在量の相関から、脱抱合によって胆汁酸プールを変化させる微生物種が予測された。さらに、微生物によって抱合された胆汁酸の濃度はアミノ酸依存性の傾向を示したが、これは糞便では明確ではなかった。まとめると、生理的条件下で腸管に沿って、微生物、タンパク質、胆汁酸を非侵襲的かつ縦断的にプロファイリングすることは、ヒトの生理的状態と疾患における腸のマイクロバイオームとメタボロームの役割を解明するのに役立ち得る。

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