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物性物理学:CsV3Sb5由来のカゴメ超伝導体におけるノードレス電子対形成
Nature 617, 7961 doi: 10.1038/s41586-023-05907-x
新たに発見されたカゴメ超伝導体は、バンドトポロジー、電子秩序、格子形状の間の相互作用を調べるための有望なプラットフォームである。この系についての広範な研究の取り組みにもかかわらず、超伝導基底状態の性質はいまだ解明されていない。特に、電子対の対称性については意見の一致が得られておらず、その一因は、超伝導ギャップ構造の運動量分解測定結果がないことである。今回我々は、超高分解能低温角度分解光電子分光を用いて、CsV3Sb5由来の2つの例示的なカゴメ超伝導体であるCs(V0.93Nb0.07)3Sb5とCs(V0.86Ta0.14)3Sb5の運動量空間において、ノードレスでほぼ等方的な、軌道に依存しない超伝導ギャップを直接観測したことを報告する。意外なことに、このようなギャップ構造は、VをNb/Taで等価置換することによる常伝導状態での電荷秩序の有無に対してロバストであった。今回の超伝導ギャップの包括的な特性評価は、カゴメ超伝導体の電子対対称性に関して不可欠な情報をもたらし、量子物質における超伝導ともつれ合った電子秩序に関する理解を促進させる。

