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気候科学:北半球の熱帯循環の人為起源の弱化

Nature 617, 7961 doi: 10.1038/s41586-023-05903-1

ハドレー循環は、熱帯域における大気の熱と水分の極向きの輸送の大半を担っているため、低緯度域の降水量と気温の緯度パターンに大きな影響を及ぼしている。従って、人為起源の気候変動に対する備えを強化するには、人為起源の排出に対するハドレー循環の応答を正確に評価することが重要である。しかし、今のところ、最近の北半球のハドレー循環の強度の変化に関しては大きな不確かさがある。大気再解析の大半が循環の強化を示しているのに対し、気候モデルは循環の弱化をシミュレートしているだけでなく、大気再解析には循環の強さに人工的な偏りがあることが見いだされたため、最近のハドレー循環の変化に対する人為起源の排出の影響は分かっていない。今回我々は、海面気圧の測定結果を用いてハドレー循環の最近の変化を絞り込み、最新の一連の気候モデルと一致して、この循環がここ数十年にわたりかなり弱化していることを示す。さらに我々は、循環の弱化が人為起源の排出に起因することを示し、熱帯気候の人為起源の変化の予測の信頼性を高めている。気候に対する低緯度域の循環の大きな影響を考えると、最近の人為起源の循環の弱化は、局地的な熱帯・亜熱帯気候により広範な影響が及ぶことを示唆している。

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